ふるさと栄会

ふるさと昔っこ(畑則子)

あがんぼになったさま

再生時間:3分46秒

再生ボタン:⇒左端


むがーし、あるどごさどっぱとだっけどー。爺さ山さ柴かりにったけど。
「このごろ、腰でゃだがまなぐクチャクチャじだがで、ぎゃじぎみでゃに・・・なやーっ。」  って独り言いいながら、仕事したば、たいした喉乾いで、爺さな、何処どごがに岩清水飲む・・ゃーだべがど思って探したば、がげの岩の間さこげっこ生えで、そのこげっこちだわってタチーッタチーッタチッと清水しず落ちでだけ 
「おやおや有りがでゃごど。」 と行ってみだば、清水しずの下さこのくりゃばりの水溜まりっこ出来ででな、さま、
「あーこれはじんじょで、山の神様のお恵みだだば。」 とて、こーやって両方りょうほの手っこですぐって水一ぐじ飲んだど。したーんば、あれ程でゃがった腰しゃ、シャンとったけど。あらーっ不思議だごど、ど思ってもう一ぐじ飲んでみだば、今度こだ ばクチャクチャっじがったまなぐシャキっといで、まんじーっるぐなったけど。それで、その水溜まりさちらっこ写して見だば、なーんとぎゃ頃のうじってだけど
「あらー有りがでゃごど。」 とさな、戻って、
「婆さま婆さま今来たでゃー。」 戸をげたば婆さま出ひゃって来て、上げ下げこっち見で、
「どちらさんだぎゃー?」 ってうど。
「なーんに俺だべった婆さま。」 ってっだたて、なぼーっだたて分がらなゃけどよ。
「あやー、まじよー俺だべた。」 ってったば、
「そうわれればらなーんだがぎゃどぎぎ会ったごとあるよんだ気するなー。」 ってったけど。爺さまがらわげ聞いたばな、婆さまよ、
「あらーそえったえ水っこだば、俺らも飲みでゃおだな爺さま。」
「んだばさま、あまりぎゃにぎゃぐならなゃたでええども、丁度今の俺ど釣り合うくりゃぎゃぐなるように、明日あした連れぐぇって今日まず寝れはー。」 夜中にっぱ眼覚ましたば、隣さ若者あんこみでゃに若ぎゃ爺さま寝てるべた。わーまだ寝返り打どーと思ったば、腰でゃだが膝かぶでゃだが、なんとこれなば残念にやじゃねぐなって婆っぱ一人して山さったど。
ら、うんと若ぎゃぐなってきて爺さまどご喜ごばせるど。」
爺さま起ぎだば婆さまなゃもんだが
「・・・俺りゃえの婆さましゃー、一人で山さったな。」 とってみだど。爺さま、
「婆さまー、ぎゃに来たどー。」 なんぼ叫んだたて返事しなゃど。とうどう清水のあだりまで来てな、 「婆さまー、ぎゃにきたどー。」 っとったど。返事しなゃで、その代わりホォギャホォギャホォギャって赤子ぼぼこの泣ぎ声するど。見でみだば婆さまの着物さるまがってしゃ、赤子ぼぼこホォーンギャだとで泣いでだなだけど。爺さま、その婆さまどご連れできてな、たいして可愛めんこがって育てたど。

トッピンパラリノプ。


↑タイトルの画像は?
掲示板に投稿された「議事堂周辺の大屋梅」、投稿記事【22】、の写真を元に加工されたものです。

個人情報の取扱い   ふるさと情報リンク   事務局からのご案内   サイトマップ