ふるさと栄会

栄小だより

「ふるさとを大切にする子どもたち」

 横手市立栄小学校長佐藤民男(平成18年11月)

ふるさと栄会の皆様、いかがお過ごしでしょうか。今年の夏は、ここ栄地区も近年まれに見る好天と猛暑が続き、農家の皆さんは農業用水の確保に苦労されたようです。それでも、大屋沼をはじめ、多くの灌漑用の沼のお陰で、農作物も順調に成長しています。改めて先人の知恵のすばらしさを痛感すると共に、出来秋が待ち望まれるところです。

さて、昨年の会報に「栄小だより」を寄稿してから早や一年がたちました。この間、ここ栄小学校では、子どもたちによる様々な活動や、地域を巻き込んでの活動も行われました。その中から、いくつかご紹介したいと思います。

  1. 今年は「減減栽培」に挑戦

    今やインターネットは、私たちの生活 本校の学校田は、昨年大豊作となり、収穫した餅米で餅つきをしたり、交流している東大曲小学校に餅をプレゼントするなど、様々な活動に活用することが出来ました。

    生徒たちの田植え風景今年は、5年生の「総合的な学習の時間」の活動として、県の農林部や農協、そして地域の農家の方から指導を受けながら、稲の「減減栽培」に取り組んでいます。(写真左)

    この栽培法は、農薬や化学肥料をできるだけ抑え(減農薬・減化学肥料)、自然に近い形で稲を栽培しようという試みです。肥料は、家畜の排泄物や残飯などからバイオの力で作られた有機肥料を使いました。また、除草剤の代わりに米糠を撒いたり、こまめに除草作業を行う等、子どもたちの活動が続いています。勿論、夏休み中も毎日稲の観察を続け、これまでの観察記録は膨大な物になっています。そして、稲は好天にも恵まれ、その成長は順調ですが、減減栽培のためか、収量はだいぶ少なくなりそうです。

    子どもたちは、春からの様々な農作業を体験し、稲作りの難しさを痛感すると同時に、人間や自然等の環境に優しい稲作りの提案を通して、ふるさとに少しでも貢献しようと、張り切って毎日の活動を進めています。
  2. 「栄っこ見守りたい」が活躍

    全国的に子どもたちが犠牲となる凶悪な事件が続いていますが、遂に秋田県でも大変残念な事件が藤里町で起きてしまい、学校関係者だけでなく、多くの人々に不安が広がっています。

    防犯教室での訓練栄小学校では、昨年の秋、子どもたちの登下校時における安全を確保しようと、他校に先駆けて「栄っ子見守りたい」を結成しました。

    この見守りたいには、現在、各町内会の会長さんや祖父母の皆さんを中心に、七十名ほどの地域の方々に参加していただいています。この中には、地域の企業からも参加の申し出があり、本当にありがたく思っておる所です。(写真は防犯教室での訓練)

    この会の活動は主に、子どもたちの下校時を中心に、町内各所に立っていただき、声をかけながら、安全な下校を見守っていただくものです。その他、見守りたいのステッカーを貼った車での巡回等もお願いしています。また、横手警察署による子どもたちの防犯教室にも一緒に参加していただき、共に防犯意識を高めることができました。

    こうして、子どもたちは地域の人たちの協力により、毎日安心して登下校することが出来るようになりました。「地域の子どもは地域で守る」を合い言葉に、今後もその活動を充実していきたいと考えております。
  3. 校庭に広がる大屋梅の並木

    長い歴史と伝統ある大屋梅は、近年その数がめっきり少なくなっていました。そこで、この大屋梅の復活と保存に取り組んでいる栄地区では、地域市民会議と大屋梅保存会の協力により、平成十四年、本校の校庭に二十本の大屋梅を植樹しました。そして、昨年の十一月、今度は本校の三年生と保存会の方々により、新たに十五本の大屋梅が植えられました。

    子どもたちはそれまで、大屋梅の歴史や梅を使った食品についての学習を続けていましたので、この大屋梅の植樹には、「元気に育ってほしい」との大きな願いと期待をもって取り組みました。子どもたちが中学校に進むころには見事な梅の花が咲くとのことで、その日を心待ちにしている子どもたちの姿が見られました。

    また、今年も十五本の梅を植樹することになっており、学校の校庭をぐるっと囲んで、見事な大屋梅の並木が出現する日もそう遠くないものと思われます。

    ふるさと栄会の会員の皆様には、帰郷の際は、是非校庭の大屋梅の並木をご覧いただきたいと思います。
  4. 還暦を迎えた栄小卒業生が来校

    六月十日、今年還暦を迎えられた栄中第十五期生の皆さんが本校を訪れました。当時の学舎はすでに無くなっていますが、当時と同じ場所に建てられた現在の校舎は、木造であることもあり、皆さんがとても懐かしそうに校舎を見学しておりました。特に、体育館では、壁に掲げられた校歌の額を見つけ、誰からともなく、「大屋の里に 梅咲いて」と、校歌を歌い始め、やがて校歌の大合唱となりました。皆さんの栄小に対する熱い思いを感じた一瞬でした。

    校舎は無くなっても、皆さんの心にはいつまでも栄小・栄中そして、大屋の里の思い出が生き続けていることに、深い感銘を受けた次第です。

さて、本校における出来事をいくつかご紹介いたしましたが、子どもたちは、ふるさと栄に対する思いを大切にし、これからも地域のみなさんのご支援をいただきながら、「ふるさとの学校」として、確かな歩みを続けて行きたいと思っておりますので、ふるさと栄会の皆様には、今後ともご支援のほど、よろしくお願いいたします。


↑タイトルの画像は?
掲示板に投稿された「議事堂周辺の大屋梅」、投稿記事【22】、の写真を元に加工されたものです。

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