ふるさと栄会

栄小だより

「自分の目標を目指して力強く」

 横手市立栄小学校長佐藤健悦(平成20年11月)

  『ふるさと栄会』」の皆様には、ますますご健勝でご活躍のことと拝察いたします。今年は全国各地で、“ゲリラ豪雨”が発生し、大きな災害が頻発しております。会員の皆様には、被害に遭われなかったでしょうか。今後とも十二分にご注意いただければと存じます。

  ところで、築十四年となりました総木造校舎の今の様子をお話します。

  変わらないところとして、いまだ木の香りを辺りに振りまき、校内の空気を浄化し、癒しの空間を醸し出してくれています。また、窓越しに外の景色を見るには多少邪魔にはなりますが、柱と柱の間には随所に筋交いが施されており、大きな地震にも耐えうるどっしりとした力強さと頼もしさ、安心感を漂わせています。

  反面、木の弱点として、亀裂の入っている木が增えてきていることです。 これ自体は、木の強度を弱めることにはならないとのことですが、外側の柱に亀裂が入り、時には、激しい雨で、その下の教室などに多量の雨漏りが起ります。また、木に小さな穴を開け、産卵する「木喰い虫」の被害もあります。亀裂補修剤などでの修理や殺虫剤による被害拡大防止対策など、木造建築ならではの悩みや維持管理費の增加してきているのが実態です。

  さて、栄小学校の子どもたちは、るさとの皆様の心温まるご協力、ご支援をいただきながら、のびのびと力強く様々な活動に取り組んでいます。その一端をご紹介したいと思います。


①自分の思いや考えを相手にしつかり伝える力を伸ばす

授業風景  二十五名の新一年生を迎え、全校児童百二十八名でスタートした平成一十年度も、あと一か月ほどで半分を過ぎようとしています。

  勉強や学校行事、児童会活動などに一人一人自分の目標を持ち、その達成に向けて、日々精一杯のがんばりを見せています。特に、学校行事などの中に全校や近似学年の集会が時々行われますが、友だちの前で自分の思いや考えなどをしっかりと話すことができる子どもも少しずつ增えてきました。しかし、いい考えなどを持っているのに、人前でその半分も話ができない子どももまだまだいます。

話型表  そこで、低・中・高学年ごとにその学年に応じて、「聞く」「話す」「書く」「読む」について、目標や留意点などを書いた一覧表(学習スキル)と話し方の基本型(右の写真)を教室前面に掲示し、各学級での学習の中でこの表を活用し、意識的に取り組めるような学習環境を作るようにしています。今では、聞き手の方を向き、理由などを加えて、自分の考えなどをしっかり伝えようとする気持ちで、話をする子どもが徐々に增えてきています。

  また、さらに自分の思いや考えをはっきり話ができるように、発表の前に「書く」時間を設け、限られた行数に考えなどをまとめる活動ができるようにしています。これによって、歯切れがよく、自信のある発表が見られるようにもなってきました。

  将来、栄小の子どもたちの様々な国の人とも、堂々と自分の考えなどを言い交わせる意欲や能力の素地作りに努めていきたいものと思います。

②今では珍しくなった活動より

●床磨き(清掃活動)

清掃活動の一コマ  今風の学校での床拭きは、腰を高くした腕立て伏せの格好で、長い距離を真っ直ぐに一気にというのが定番です。床材の継ぎ目が滑らかな場合は、この拭き方でもいいですが、本校の床も木材で、少し継ぎ目が凸凹しています。そのため、今風の床拭きができません。写真のように、膝をついてはいますが、利き腕の左右の届く範囲で、一枚一枚の床板をしっかり力を入れて磨きながら後ろに進んでいきます。清掃班は、1年生から6年生までが混じった班(縦割り班)で、高学年の子どもが低学年の子どもに拭き方を伝授しながら、本校の伝統の清掃活動として行ってきました。そのために、床は「黒光り」して、いい光沢の輝きを放って、子どもたちをいつも照らしています。

●薪連び

薪運び風景  今の学校の暖房設備は、重油などを使用したファンヒー夕ーや電気による蓄熱暖房、石油ストーブですが、本校の給食室には2基の“薪ストーブ”があります。そのため、毎年約4はりの薪が準備されます。業者に短く切ってもらった後、さらに割ってもらい、きれいに積み上げて、夏の間乾燥させます。そして、雪の降る前に、給食室に近くの雁木まで、およそ80メートルを3年生以上の子どもたちが2列に並び、薪を手渡しして運びます。昔はどこの学校でも行われた風景ですが、今では、栄小だけの貴重な体験です。

  冬期間は、自分たちで働いて運んだ薪の温もりで、日々楽しく、おいしい給食をいただいています。

●障子紙貼り

  本校の特色として、天窓から日の光を取り入れるために、天井に1つの教室に30枚の障子が敷き詰められています。十四年も経ったこともあり、障子のシミなどの汚れがひどくなり、張り替えをしました。昨年度は、3~6年教室、今年度は1・2年教室を、本校職員に加え、市教育員会職員、保護者ボランティアの方々のご協力を得て、総計180枚の張り替えを、どちらも夏休みの猛暑の中で行いました。

  真白できれいになった障子から差し込む柔らかな日の光を受けている勉強に打ち込む子どもたちの姿がまぶしく感じられます。






  「栄小子ども見守りたい」や民生児童委員、栄地区交通安全協会、栄交番、栄小PTAなど、多くの皆様のご支援ご協力で交通事故や不審者による事故などもなく、いつも感謝しているところです。地域の皆様に応えるべく、今後とも「力強い学校」を目指してがんばってまいります。

  ふるさと栄会の皆様には、今後とも温かい眼差しで見守っていただきますようお願いしながら、本校の活動の報告とさせていただきます。


↑タイトルの画像は?
掲示板に投稿された「議事堂周辺の大屋梅」、投稿記事【22】、の写真を元に加工されたものです。

個人情報の取扱い   ふるさと情報リンク   事務局からのご案内   サイトマップ