大屋梅保存会から
この6年間の取り組み 大屋梅保存会だより
大屋梅保存会事務局長 戸田 義昭
6年前大屋梅保存会で大屋梅、大屋の歴史、菅江真澄、大屋納豆、梅干しなどの発酵食品を手がけるようになってから、いろいろなところで体験発表しなければならなくなりました、講演も常に台本づくりに没頭しているうち、自分の話は経験に至るものでなくてはならないと感じました。そうしているうち、話題の主は地域づくりになっていきました。でも問題がありました。
自分が地域おこしに関わるための第一歩は遠隔対象性から脱却をはかることでありました。遠隔対象性とは心理学の概念で、人問は身近にあるものよりも遠く隔たってあるものを価値対象に求めてしまうと言う心性をもっている。ここではないどこかに本当があり、ここは嘘ではないかと思う心。その呪縛から解放されることでした。その呪縛から解放に至ったのは地域の方々との交流にありました。生涯学習指導貝として公民館の仕事で小学生から高齢者までつきあううち、地域づくりの基本が見えてきました。
その基本とは
①住んでいることに誇りをもち、愛着をもてる地域にしたい。
②地域の歴史や風土に根ざした文化の保存・承継に努める。
③地域の食文化の維持・承継に取り組んでいきたい。
④担い手となる子供達のじかな人間性と地域の愛着などを育むため、自然環境を大切にしたい。
そしてその基本を元に3つの方法で実行しているわけです。
1 地域の歴史を知る
①大屋の歴史のCD化
大屋の歴史は貴重な文献で、このままにしておくと失われていくものでした。この文献に写真を加えました。一冊の本にすると価格が4桁になり、多くの方々に広めることができない。CDならいいだろうと考えました。
②菅江真澄の研究
菅江真澄の「雪の出羽路」は200年前の大屋の庶民の生活や風俗について、多くのことを私達に教えてくれます。
③東山道の研究
江戸時代以前の道で大屋新町、寺内、楢沢、増田、川連、稲庭そして平泉に通ずる道があった。大屋舘、安田舘など多くの城舘があり、秋になると大屋沼に名残の道が現れる。
2 地域の生活文化を知る
①大屋梅を商業化にのせる取り組み大屋梅を花だけでなく実を売ることにより、地域を活性化できる。保存会に加工部をつくりました。昔の大屋梅林の再生、そして観梅会は夢ではなくなりました。梅酒「梅まんさく」は順調な売れ行きです。
②人屋納豆の再生
ワラット納豆ができました。保健所が最大の難所となっています。これをクリアするには大きなエネルギーが必要です。
3 地域住民の参加
①大屋梅保存会の会貝は170軒、会費は保存会開始から年額500円、総額8万5千円で運営しています。会費を上げたらと言う意見もありますが、梅の木を植えていない方々もいて170人の会
貝は大きな力となっています。
②さかえ市民会議の協力
大屋梅の植栽、イベント「駅からハイキング」など、町内会の協力が大なるものです。
②学校の協力
栄小児童の梅木植栽、駅からハイキング等で協力していただいています。
④行政の協力
栄公民館職員の計画実行に対する並々ならぬ協力があればこそ、成果があるのです。
秋田魁新報、読売新聞などで大屋梅が大きく掲載され、やっと大屋梅が県内で認知されるようになりました。今後も梅木の成長と共に人きく発展してくれたら、今までの努力が報われるのではないかと思っています。
去る8月8日秋田県主催「美の国秋田」のカレッジが八峰町で行なわれ、人屋梅保存会を代表して事務局長戸田義昭氏が講演をされた一部です。
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